発達障害関連

気づかれにくいタイプの発達障害の女の子の特徴まとめ

まあや
まあや
こんにちは!発達障害の娘を療育中の、まあや(@rirumama01)です。
我が家は、ASD+ADHDの娘、ADHDの父、アダルトチルドレンの母、という凸凹一家です。そんな我が家のプロフィールはこちら

 
 
先日、スッキリ!の発達障害特集についてこんなツイートをしたところ、予想外の共感の声をいただいてしまいました。

私としては、女の子の発達障害が気づかれにくいというのは普段から発言していたことだったので、テレビの力でこんなにも拡散力が変わるものなのかと思ってビックリしました。

女の子の発達障害が気づかれにくいのって、“困ってないから”気づかれないんじゃないの?と思われがちですよね。でもそれは大きな勘違いなんです!

女の子の発達障害が気づかれにくい理由は・・・“まわりの人が困ってないから”です!
まわりの人が困ってないだけで、実は本人は困ってるんですよね。。。

でも、子供が自分で発達障害に気づくことなんて不可能なことですから、まわりが気づかなければ発覚しないわけです。

これが大きくなってくると、だんだん自分でも「なんかおかしいな?」と感じ始めたり、まわりの人も困ってくる場面が出てくるために、発達障害が発覚し、結果的に大人の発達障害では女性の割合が高くなるものと思われます。

しかし、こちらのツイートでも分かる通り、発達障害と気づかれずに過ごした場合、二次障害が起こるリスクが格段に高くなってしまうという調査結果が出ています。

そんなわけで、少しでも早く女の子の発達障害に気づいて二次障害のリスクを減らしてもらいたい!と思ったのが、今回、気づかれにくいタイプの発達障害の女の子の特徴をまとめてみようと思ったきっかけです。

気付かれにくいADHDの女の子の特徴

①多動や他害がない

ADHDで一番目立つ特徴といえば“多動”ですよね。療育の場でも多動の子をよく見かけました。

でも、多動の子はほぼ男の子でした。女の子は本当に少ないです。これが幼少期に女の子のADHDが気づかれにくい最大の理由ではないでしょうか。

また、男の子の場合、カッとなって衝動的に手が出てしまったり暴言が出てしまったりする子もよくいましたが、これも女の子にはあまりない特徴です。

こういった特徴は、まわりの人が困って気づくので、男の子のADHDは気づかれやすいんですね。(本当は本人が一番困っているのですが、そこが気づかれにくいのもまた問題であったりします…)

②ぼーっとしている(頭の中の多動)

ADHDの女の子には多動があまりないとお伝えしましたが、実は体が動いていないだけで、頭の中はものすごい多動だったりします。

これは目に見えない特徴なので、頭の中の多動というADHDの特性を知らなければ、親ですらもなかなか気づけません。

ぼーっとしているように見えても、頭の中では連想ゲームのように話が連鎖して切り替わっていきます。

本人の頭の中では話が繋がっているのですが、まわりの人にはその過程がわからないため、なぜ突然その話が出てくるの?と思うような話をポロっとしゃべって、まわりをポカーンとさせることがあります。

また、人の話を聞いている途中に、その話に出てきた単語から頭の中で違う方向に話が連想していってしまい、大事な話を聞き逃してしまうという困りごともでてきます。(年齢が高くなるほど困り感が大きくなる点です)

③よくしゃべる(口の多動)

頭の中だけでなく、口の多動もあります。

とにかくよくしゃべるのですが、相手のペースに合わせるということをしないために、聞いている方が疲れてしまうこともあります。

ただ単に“おしゃべりな子”と思われるだけで、見過ごされがちな特徴です。

④出来るけど出来ない

ADHDの子は報酬系が弱いという特性があるのですが、これはどういうことかというと、“ごほうびをごほうびだと感じ取る力が弱い”ということです。

つまり、ごほうびのために頑張ることができない=やる気が出ないのです。

ADHDの子にとっての強力なごほうびは“新しいもの”なので、初めてチャレンジすることや見たことのないおもちゃなどには強い興味を示しますが、やり慣れたことや見慣れたものなどは“古いもの”となってしまうため、ごほうびと感じられなくなってしまいます。

その結果、日常のルーティンや単調作業はやる気が起きないので、“出来る(やる能力はある)けど、出来ない(行動できない)”という現象が起こってしまいます。
(例:頑張って出かける支度をすれば「遊園地で遊べるというごほうび」が得られると分かっていても、出かける支度をする気が起きなくて出かけるのが遅くなり、遊ぶ時間が減ってしまう)

まわりからは単に“ゆっくりな子”と捉えられて見過ごされてしまうんですよね。。。

⑤必要なことを忘れてしまう

ADHDの子はワーキングメモリ(短期記憶)が少ないという特性があります。

ワーキングメモリというのは、作業するために一時的に脳に記憶しておくスペースのことです。

「電話番号を記憶して電話をかける」「スーパーで魚と卵を買うということを記憶してスーパーで魚と卵を買う」といった感じですね。作業のための記憶なので、作業が済んだら忘れます。

短期的に記憶するためのスペースなので、もともと容量は少ないのですが、ADHDの子はこれが更に少ないということなのです。

そのため、一度に3つくらいの指示を出されたら、最後の1つしか覚えていないといった現象も起こってしまいます。ワーキングメモリの容量が少ないために、新しい情報が入ってくると前の情報が押し出されて消えてしまうんですね。

そんなわけで、大事な用事を忘れてしまったり、忘れ物をしてしまったり、物をどこに置いたかわからなくなってしまったりといった困りごとが出てきます。

小さいうちはスケジュールや持ち物などを親が管理しているので、就学するまで気づかれにくい特徴です。

⑥整理整頓(片付け)が苦手

これもワーキングメモリが少ないため、目の前にあるものを頭の中で整理することができず、どう仕分けすればよいのか分からなくて整理整頓できないという状態に陥ってしまいます。

そして、目に入った物に注意が集中してしまうため、片付けをしているということを忘れて遊んでしまいます。

頑張って片付けることができたとしても、空いている場所に“とりあえず”置いてしまうため、何をどこに置いたか自分でも把握できなくなります。

さらに、“視界から消えると存在を忘れる”という特性もあるため、引き出しの中に片付けてしまうと中に何が入っているのか分からなくなってしまいます。

これも小さいうちは親が部屋の管理をしているので、就学するまで気づかれにくい特徴です。

 

気付かれにくいASDの女の子の特徴

①言葉の遅れがない

子供のASDを疑う大きな特徴として、「言葉の遅れ」というものがあります。

2歳になっても3歳になってもしゃべらないという子は、療育の場でもよく見かけました。

それだけ「気づかれやすい」特徴というわけですが、ASDには、アスペルガーのような“言葉の遅れのないタイプ”も存在するんですね。

そういった“言語”を話せていることで、「アイコンタクトが通じない」「指差しが通じない」「曖昧な表現が通じない」といった、“非言語コミュニケーションが苦手”というASDの特性が見過ごされやすくなってしまいます。

②お友達とうまく会話ができない

大人とはペラペラ会話の出来る子でも、お友達とはうまく会話ができない子もいます。

大人は相手の子供のペースに合わせて話を聞いてくれたりコミュニケーションをとったりしてくれますが、子供にはそんな高等なスキルはありません。

特に3人以上での会話になると、話すタイミングが分からなくて会話に参加できず、他のお友達が会話しているのを眺めているだけという状態になってしまいます。

しかし、周りの大人からは会話の能力がある子だとみなされているため、お友達と会話できなくて困っていることに気づかれにくくなってしまいます。

気づかれないまま年齢が上がると、ガールズトーク(雑談)ができないという悩みに繋がっていきます。

③不安が強い

不安が強い特性を持っているため、「失敗を恐れて行動できない」「見通しが立たない(目的が分からない)作業は手がつけられない」「新しい環境が苦手」といった困りごとが出てきます。

でも、周りの人からは性格の範囲と捉えられて見過ごされてしまいがちです。

④適当が分からない

適当が分からないという特性を持っているため、

・大局を理解できず、必要のない細部にまでこだわってしまって作業が終わらない
・たくさんの選択肢の中から適当に選ぶということができない
・ルールの例外を認められないので、臨機応変な対応ができない
物事をゼロか百かで決めてしまうので、中間を許すことができない

といった感じで、完璧を求めてしまうあまり、不必要に時間や労力を費やし、自分でも気づかないうちに疲労をためこんでしまいます。

年齢が高くなるほど、周りから求められる水準が高くなってくるため、困り感が大きくなってきます。

⑤数字・記号・図鑑などへの執着がない

ASDによく見られる特徴として、「人とのコミュニケーションよりも、数字・記号・図鑑といった特定の物事に執着する」というものがありますが、これは女の子にはあまりない特徴です。

こういった男の子に多い特徴が“ASDの特徴”としてネットや書籍などで挙げられていることも、ASDの女の子の存在が認知されにくくなっている要因になっていると思います。

⑥感覚過敏(鈍磨)がある

聴覚過敏(騒がしい場所で声が聞き取れない、大きな音が苦手)、視覚過敏(光をまぶしがる)、味覚過敏(極度の偏食)、触覚過敏(服の素材が刺さるように痛くて着られない)、嗅覚過敏(特定の匂いをかぐと吐き気がする)といった感覚過敏がよく見られます。(感覚鈍磨の場合もあります)

本人の感覚の問題なので、周りの人にはなかなか分かりづらいんですよね。。。

 

啓発用チラシ(プリント用データ)

啓発のために、わかりやすくイラスト入りでチラシを作成しました。
内容を改変しない限り、コピー・配布OKですので、お友達やお知り合いの方にもお配りいただけると嬉しいです。
※データをインターネット上で不特定多数の人に再配布することは禁止します。必ずこのページにリンクを貼ってください。

●気付かれにくいADHDの女の子の特徴
(画像クリックで拡大)

プリント用データ(PDF/3.2MB)

●気付かれにくいASDの女の子の特徴
(画像クリックで拡大)

プリント用データ(PDF/3.2MB)

※イラストはいらすとやさんからいただきました。ありがとうございます。

 

もしかして?と思った時は・・・

なにしろ、発達障害の女の子は親でも気付くことが難しいので、じっくりとお子さんを観察することが大切です。

もし上記のような特徴に数多く心当たりがあるという場合は、お近くの専門機関で相談してみてください。
「子ども発達支援センター」「発達障害者支援センター」「児童精神科」などがおすすめです。
専門機関を調べるのがめんどくさい人は、「健康(保健)センター」で紹介してもらってもいいと思います。

 

まとめ

気づかれにくいタイプの発達障害の女の子の特徴についてまとめてみましたが、いかがでしたか?

この記事が、早めに女の子の発達障害に気付くきっかけになれば嬉しいです!

注1:発達障害の子の特性は人それぞれであり、上記のすべての特徴が当てはまるわけではありません。
注2:上記はあくまでも“気づかれにくい”と思われる特徴をまとめたものであり、他にも発達障害の特徴はいろいろあります。
注3:ADHDとASDが併発している子も多く、他にもLD(学習障害)やDCD(発達性協調運動障害)が併発している場合もあります。


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