我が家は、ASD+ADHDの娘、ADHDの父、アダルトチルドレンの母、という凸凹一家です。そんな我が家のプロフィールはこちら
先日、スッキリ!の発達障害特集についてこんなツイートをしたところ、予想外の共感の声をいただいてしまいました。
発達障害の男女比7:3って出てるけど、これきっと大人の割合ですよね? 療育の場だと9:1くらいなので、女の子の発達障害は大きくなるまで気づかれにくいという問題がよく分かります。#スッキリ #発達障害 pic.twitter.com/dOz75Mvouf
— まあや@ADHD+ASD娘 療育中 (@rirumama01) April 9, 2019
女の子の発達障害が気づかれにくいのって、“困ってないから”気づかれないんじゃないの?と思われがちですよね。でもそれは大きな勘違いなんです!
女の子の発達障害が気づかれにくい理由は・・・“まわりの人が困ってないから”です!
まわりの人が困ってないだけで、実は本人は困ってるんですよね。。。
でも、子供が自分で発達障害に気づくことなんて不可能なことですから、まわりが気づかなければ発覚しないわけです。
これが大きくなってくると、だんだん自分でも「なんかおかしいな?」と感じ始めたり、まわりの人も困ってくる場面が出てくるために、発達障害が発覚し、結果的に大人の発達障害では女性の割合が高くなるものと思われます。
しかし、こちらのツイートでも分かる通り、発達障害と気づかれずに過ごした場合、二次障害が起こるリスクが格段に高くなってしまうという調査結果が出ています。
早期療育が大事と言われますが、グラフを見ると、自分の特性を早めに知って対応方法を身に付けることが二次障害を減らすことに結びつくということが分かりますね。#スッキリ #発達障害 #療育 pic.twitter.com/I6rDkqeke8
— まあや@ADHD+ASD娘 療育中 (@rirumama01) April 9, 2019
Contents
気付かれにくいADHDの女の子の特徴
①多動や他害がない
ADHDで一番目立つ特徴といえば“多動”ですよね。療育の場でも多動の子をよく見かけました。
でも、多動の子はほぼ男の子でした。女の子は本当に少ないです。これが幼少期に女の子のADHDが気づかれにくい最大の理由ではないでしょうか。
また、男の子の場合、カッとなって衝動的に手が出てしまったり暴言が出てしまったりする子もよくいましたが、これも女の子にはあまりない特徴です。
②ぼーっとしている(頭の中の多動)
ADHDの女の子には多動があまりないとお伝えしましたが、実は体が動いていないだけで、頭の中はものすごい多動だったりします。
ぼーっとしているように見えても、頭の中では連想ゲームのように話が連鎖して切り替わっていきます。
本人の頭の中では話が繋がっているのですが、まわりの人にはその過程がわからないため、なぜ突然その話が出てくるの?と思うような話をポロっとしゃべって、まわりをポカーンとさせることがあります。
また、人の話を聞いている途中に、その話に出てきた単語から頭の中で違う方向に話が連想していってしまい、大事な話を聞き逃してしまうという困りごともでてきます。(年齢が高くなるほど困り感が大きくなる点です)
③よくしゃべる(口の多動)
頭の中だけでなく、口の多動もあります。
とにかくよくしゃべるのですが、相手のペースに合わせるということをしないために、聞いている方が疲れてしまうこともあります。
④出来るけど出来ない
ADHDの子は報酬系が弱いという特性があるのですが、これはどういうことかというと、“ごほうびをごほうびだと感じ取る力が弱い”ということです。
つまり、ごほうびのために頑張ることができない=やる気が出ないのです。
ADHDの子にとっての強力なごほうびは“新しいもの”なので、初めてチャレンジすることや見たことのないおもちゃなどには強い興味を示しますが、やり慣れたことや見慣れたものなどは“古いもの”となってしまうため、ごほうびと感じられなくなってしまいます。
その結果、日常のルーティンや単調作業はやる気が起きないので、“出来る(やる能力はある)けど、出来ない(行動できない)”という現象が起こってしまいます。
(例:頑張って出かける支度をすれば「遊園地で遊べるというごほうび」が得られると分かっていても、出かける支度をする気が起きなくて出かけるのが遅くなり、遊ぶ時間が減ってしまう)
⑤必要なことを忘れてしまう
ADHDの子はワーキングメモリ(短期記憶)が少ないという特性があります。
ワーキングメモリというのは、作業するために一時的に脳に記憶しておくスペースのことです。
「電話番号を記憶して電話をかける」「スーパーで魚と卵を買うということを記憶してスーパーで魚と卵を買う」といった感じですね。作業のための記憶なので、作業が済んだら忘れます。
短期的に記憶するためのスペースなので、もともと容量は少ないのですが、ADHDの子はこれが更に少ないということなのです。
そのため、一度に3つくらいの指示を出されたら、最後の1つしか覚えていないといった現象も起こってしまいます。ワーキングメモリの容量が少ないために、新しい情報が入ってくると前の情報が押し出されて消えてしまうんですね。
そんなわけで、大事な用事を忘れてしまったり、忘れ物をしてしまったり、物をどこに置いたかわからなくなってしまったりといった困りごとが出てきます。
⑥整理整頓(片付け)が苦手
これもワーキングメモリが少ないため、目の前にあるものを頭の中で整理することができず、どう仕分けすればよいのか分からなくて整理整頓できないという状態に陥ってしまいます。
そして、目に入った物に注意が集中してしまうため、片付けをしているということを忘れて遊んでしまいます。
頑張って片付けることができたとしても、空いている場所に“とりあえず”置いてしまうため、何をどこに置いたか自分でも把握できなくなります。
さらに、“視界から消えると存在を忘れる”という特性もあるため、引き出しの中に片付けてしまうと中に何が入っているのか分からなくなってしまいます。
気付かれにくいASDの女の子の特徴
①言葉の遅れがない
子供のASDを疑う大きな特徴として、「言葉の遅れ」というものがあります。
2歳になっても3歳になってもしゃべらないという子は、療育の場でもよく見かけました。
それだけ「気づかれやすい」特徴というわけですが、ASDには、アスペルガーのような“言葉の遅れのないタイプ”も存在するんですね。
②お友達とうまく会話ができない
大人とはペラペラ会話の出来る子でも、お友達とはうまく会話ができない子もいます。
大人は相手の子供のペースに合わせて話を聞いてくれたりコミュニケーションをとったりしてくれますが、子供にはそんな高等なスキルはありません。
特に3人以上での会話になると、話すタイミングが分からなくて会話に参加できず、他のお友達が会話しているのを眺めているだけという状態になってしまいます。
しかし、周りの大人からは会話の能力がある子だとみなされているため、お友達と会話できなくて困っていることに気づかれにくくなってしまいます。
③不安が強い
不安が強い特性を持っているため、「失敗を恐れて行動できない」「見通しが立たない(目的が分からない)作業は手がつけられない」「新しい環境が苦手」といった困りごとが出てきます。
④適当が分からない
適当が分からないという特性を持っているため、
・大局を理解できず、必要のない細部にまでこだわってしまって作業が終わらない
・たくさんの選択肢の中から適当に選ぶということができない
・ルールの例外を認められないので、臨機応変な対応ができない
・物事をゼロか百かで決めてしまうので、中間を許すことができない
といった感じで、完璧を求めてしまうあまり、不必要に時間や労力を費やし、自分でも気づかないうちに疲労をためこんでしまいます。
⑤数字・記号・図鑑などへの執着がない
ASDによく見られる特徴として、「人とのコミュニケーションよりも、数字・記号・図鑑といった特定の物事に執着する」というものがありますが、これは女の子にはあまりない特徴です。
⑥感覚過敏(鈍磨)がある
聴覚過敏(騒がしい場所で声が聞き取れない、大きな音が苦手)、視覚過敏(光をまぶしがる)、味覚過敏(極度の偏食)、触覚過敏(服の素材が刺さるように痛くて着られない)、嗅覚過敏(特定の匂いをかぐと吐き気がする)といった感覚過敏がよく見られます。(感覚鈍磨の場合もあります)
啓発用チラシ(プリント用データ)
啓発のために、わかりやすくイラスト入りでチラシを作成しました。
内容を改変しない限り、コピー・配布OKですので、お友達やお知り合いの方にもお配りいただけると嬉しいです。
※データをインターネット上で不特定多数の人に再配布することは禁止します。必ずこのページにリンクを貼ってください。
●気付かれにくいADHDの女の子の特徴
(画像クリックで拡大)
→プリント用データ(PDF/3.2MB)
●気付かれにくいASDの女の子の特徴
(画像クリックで拡大)
→プリント用データ(PDF/3.2MB)
※イラストはいらすとやさんからいただきました。ありがとうございます。
もしかして?と思った時は・・・
なにしろ、発達障害の女の子は親でも気付くことが難しいので、じっくりとお子さんを観察することが大切です。
もし上記のような特徴に数多く心当たりがあるという場合は、お近くの専門機関で相談してみてください。
「子ども発達支援センター」「発達障害者支援センター」「児童精神科」などがおすすめです。
専門機関を調べるのがめんどくさい人は、「健康(保健)センター」で紹介してもらってもいいと思います。
まとめ
気づかれにくいタイプの発達障害の女の子の特徴についてまとめてみましたが、いかがでしたか?
注1:発達障害の子の特性は人それぞれであり、上記のすべての特徴が当てはまるわけではありません。
注2:上記はあくまでも“気づかれにくい”と思われる特徴をまとめたものであり、他にも発達障害の特徴はいろいろあります。
注3:ADHDとASDが併発している子も多く、他にもLD(学習障害)やDCD(発達性協調運動障害)が併発している場合もあります。
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